ここでいう重症とは、アトピー性皮膚炎が重症であるだけでなく、ステロイド皮膚炎も重症であることを指しています。そのため重症の患者とは、ステロイド剤の長期使用者もしくはステロイド軟膏にまた強力な免疫抑制剤の軟膏やステロイド剤（プレドニン・セレスタミン等）の服用者である場合が多く薬物によるダメージには相当なものがあり、副腎萎縮、副腎不全とも言われる状態です。
重症者の場合には、先の中症状者に述べた「離脱症状」が、すべての人にみられるといってよいでしょう。特に、全身の倦怠感、浮腫、体液の流出、皮膚の黒ずみ（色素沈着）、肥厚、と掻き壊しも相当ひどいものがあります。
離脱の初期から中期にかけては、流出した体液が皮膚の表面で固まり、さらに固まった皮膚の一部が裂けて血濃がにじみ出ているといった具合で、浮腫も加わり、さながら「常人」には見えません。また、内分泌系へのダメージも強く、中には多臓器と不全状態に陥っている人もいます。
皮膚の状態も、肥厚は激しく、目も粗く、本来の皮膚の上に何か一枚固い皮膚をつけているような感じであり象の肌のごとくカチカチです。部位によっては真皮・表皮・皮下細胞組織が破壊され、皮膚呼吸ができない状態に陥っています。さらに、すでに「眼障害」がみられる人も多くいます。白内障、網膜剥離で、弱視もしくは失明の状態の人が頻繁に認められます。アトピー性皮膚炎患者にみられる白内障は、ステロイド剤の使用を中止し離脱させるから発症するのだという医者がいます。その医師は、ステロイド剤を弱いものに徐々に変えながら減量して使うことが必要だともいいます。
しかしステロイド剤を弱いものに変えた時点で、すでに離脱症状は現れてきます。したがって減量すればするほど症状は増悪の一途をたどり、やがて本格的な離脱症状が始まります。医師はその離脱症状の治療に再び強いステロイド剤を使用し一時的に炎症を軽快させ、そして一から減量のやり直しを行ないます。結局はそれを幾度となく繰り返し重症化すれば、たとえステロイド使用中でも、白内障、網膜剥離に陥ることになります。さらにプレドニンの錠剤を使用している人であれば緑内障の危険性も常につきまとうことになります。
つなり、ステロイド剤の使用を慢性化させた時点で白内障の素因をもってしまった人は、例えどのような状況下にあったにしろ、発症を避けられない状況に陥っている場合が多いのです。
ある医師が私にこう話したことがあります。
「医者は、アトピー性皮膚炎を、初診の段階からステロイド、漢方薬、非ステロイド系の消炎剤など、いっさいの薬物を使用しないで治療したことが今までないのです。だから、アトピー性皮膚炎の『病態』とは、ステロイド剤の副作用の症状も同時に含まれていることになります。『アトピー性白内障』など、アトピー性皮膚炎が直接白内障にかかわるといった説がありますが、それらも、実際に一切の薬物の使用を行なわない患者群で比較臨床したわけではなく、ステロイド剤の使用者を対象に調査して白内障が認められるということで、アトピー性皮膚炎と白内障を関係付けただけです。つまり、今の『アトピー性白内障』とは、ステロイド剤の使用者に認められる『白内障』のことを指すんですよ。
まさしくこの通りだと思います。もし、この意見に反論があるのなら、この先生が言われたように、一切の薬物を使用していないアトピー性皮膚炎の患者群と、薬物を使用した患者群とで比較対照したデータを見せて欲しいものです。
「自然療法」を行なった患者で、その後、結婚・出産された方は数多くいます。その中には、生まれた子供にアトピー性皮膚炎が認められた（あくまで医師がそう診断しただけですが）方もいますが、その子供たちは皮疹、炎症がどんなにひどくてもステロイド剤などの薬物は一切使用していません。当然です。父親あるいは母親自身が、薬物を使用せず自らの「自然治癒力」による治療法を実践してきたわけであるから薬物治療に頼るはずがないのです。
この子供たちは、アトピー性皮膚炎で言えばまったくの「初診」で、さらに薬剤をしようしていないケースになります。この子供たちの皮疹や炎症が、2週間～数ヶ月で「自然消退」していることはいうまでもありません。このことは、乳児期・幼児期では、単に身体の免疫力や抵抗力が低いために発症したものであって、それらが次第に備わってくれば症状も自然消退するという証でもあります。また、その子供たちに「白内障」が認められたケースは、ただの一例もありません。なぜなら、眼圧が高く水晶体に炎症を起すような「素因」（ステロイド剤の使用）がまったくないからです。
アトピー性皮膚炎の患者に白内障が出現するのはアトピー性皮膚炎だからではありません。ステロイド剤の使用、長期使用が原因であることは当たり前であり、これはすでに常識とまっています。一般の人にあまり見る機会はありませんが病院で渡されるステロイド剤に添付されている文書には常用すると副作用で白内障が出る、ということがはっきりと書かれています。つまり、アトピー性皮膚炎としての治療のスタート地点から、白内障に徐々に「追い込まれ」ているのです。
ステロイド剤を中止して白内障に陥るくらいに薬剤に依存している患者は、たとえステロイド剤を中止しなくとも、いずれ白内障に陥ってしまうでしょう。初期の治療にすでに根源があるものを、その治療の中止に原因があると平気で責任転嫁している医師には先にも述べたようなデータをもとにした証拠をぜひ示してほしいものです。
このように重症者には、中症者の患者に輪をかけたつらい離脱の症状や各種の障害はみられる可能性があります。今、ステロイドの長期運用に陥りそうになっている人々には一刻も早くこれらの事実にきづいてください。
ただし、これらの重症者も決してその離脱症状から抜けられないわけではありません。確かに抜けるまでの時間は中症状に比べ二倍から三倍かかることがあっても、離脱症状は確実に終息に向かいます。そしてその後、的確なアトピー性皮膚炎の治療を行なうことができれば、「ステロイド粉飾人間」ではなく自分本来の「身体」に戻ることができます。皮膚の肥厚も徐々になくなり、柔らかいピンク色をした本来の皮膚に戻ります。痒みもなくなり、身体に自覚されていた慢性疲労、不定愁訴などの自律神経失調の症状も消退していきます。
重症者の場合の回復期間は、薬物投与期間も長く、身体が受けたダメージにも相当のものがあるため、それらを正すための必要条件の満たし方によって個人差が大きくなります、したがって一概に期間を表すことは難しいのですが、おおよそ24ヶ月程度でまったく自覚症状がなくなるケースが多いようです。全体的にみれば2年半程度でほとんどの人が普通の生活に戻っています。その時期、中にはわずかな自覚症状が残っている人々もいますが、それでも自分の生活に際障りない程度です。
そしていずれは、このような重症者・末期症状者の場合も治すための条件さえ与え続ければ、たとえ期間がかかっても「自然療法」「湯治療法」で確実に回復させることができます。正常な免疫機能が作用する身体に戻すことが出来るのです。途中二度、三度と挫折し諦めかけることがあっても、4～5年かかって克服した人々も何千人といるのです。
7～8年前までは、このような重症・末期症状のアトピー性皮膚炎患者の自殺者がおおくいました。しかし、今日では「アトピー性皮膚炎は難病でない。治療法は異なるが、確実に治す方法がある」ということを彼らは知ったのです。そして、それらの「人々の声」が自殺者また親子無理心中事に件歯止めをかけました。なぜなら現代医療は全く変わっていないのに、このような悲しい事件はここ4～5年起きていないのです。
このようにアトピー性皮膚炎は決して難病ではありません。間違いなく治せる!それも100％完治させる事ができるのです!しかし治せる人はこの世にたった一人しかいません、それは他でもない「患者自身」です。しかも乳児から大人まで患者自身が自らの治癒力をつかってのみ治すことができるのです。
時として一冊の本がその人の人生を変えてしまう「大事件」になることがあります。あなた方は、真実の治療法にようやくめぐりあえたのです。もうこれ以上、苦しみ悩むことはありません。自然療法は、今日からでも自宅で実行できるものだからです。
眠れない夜が続いても歯をくいしばり、耐えしのいで生きてください。すべては輝ける明日のためにあるのです。
私はすべてのアトピー性皮膚炎患者に申し上げます。
「たとえつらくても、疲れても、立ち止まったり、諦めたりしてはいけない。たとえ倒れたとしても勇気を出して立ち上がってほしい。どうせ苦しむなら、どうせ泣くなら、そしてどうせ悩むのならお風呂の中でそうしてほしい。」
なぜならお風呂に入ることが明日の夢に続く道なのだから。もはや人目を気にし頭を下げて歩いた日は遠い昔のことです。自分には訪れることがないと思っていた、痒みや炎症のまったくない素晴らしい身体がもう近くまできているのです。
どんな重症・末期患者にも、素晴らしい「人生」は確実に存在します。もしかすると、すでに「障害」を受けている場合があるかもしれません。しかしこれ以上の「障害」をもう心配することはありません。ステロイド皮膚症で悩むこともアトピー性皮膚炎で悩むことも、もうないのです。新しい人生と輝ける明日が、すぐそこに待っているのです。だから、だから頑張ってください。