湯治を始めて最初の数日の間は人によっては湯あたり、湯さわりという風邪の症状に似た倦怠感や頭痛が現われることがあるが、その時期は湯治を控えた方がよい。体が湯治で悪寒を感じるような時、湯治をしたくないような気分の時、湯治のたびに疲労感が強く現われ、頭痛が出るようであれば、無理に湯治をせず、一回もしくは一日と様子をみて休んだ方がよい。食欲が増すのは当然であり、逆に食欲が落ち、疲れが出るようであれば、湯治の時間を減らすことが大切である。それらの症状は休みながら続けても1週間程度で湯治が体になじみ、次第に治まってくので心配はいらない。
尿の量が少なくなるのは湯治で汗をかくので当然のこと。慢性的に便秘の状態にあった人が、多量の排泄便を出すこともある。便秘の症状は早い人では10日から20日遅い人でも1ヶ月程度で大方の人が改善し、毎日快便が得られている。強い自律神経失調症の方では時間がかかることもある。放屁の量が増えおなかが鳴ることが多く、これらは胃腸の改善が著しい証拠である。
また1日3時間の湯治は体力的にきつい人も中にはいる。最初から無理をして長く湯船に入っていてはならない。貧血症状で倒れて、意識がなくなってしまう危険がある。自らのペースで無理しないで始めていくのが良い。湯治時間にこだわらず、体を湯治に慣らし湯船につかる時間を少しづつ延長して行くのがよい方法である。