小川秀夫の湯治の目安

湯治と入浴は違う

一般的な入浴では、身体を洗い最後に41~42℃で2~3分程度湯船につかり身体を温めて上がる場合が多い。湯上り後の1~2分間は確かに身体も暖かく汗が出るが、そのような入浴では実は皮膚の表面下1cmほどしか温められていない。高温浴のため身体は温まりやすいが湯上り後に冷めやすい。

これに対し、湯治は毎日の生活の中で1日3~4回、病気を治すことを目的に30分から60分、不感温度(37度~39度)の湯船につかり、しっかりと身体、皮膚の表面下2cm以上(体の芯まで)を温め多量の汗をかくこと、また湯上り後は冷めにくい状態で多量の汗が出る身体に変わるまで毎日入浴を繰り返し続けることである。運動、スポーツでいう鍛錬、トレーニングと考えていただくと理解しやすい思う。

湯治で意識していただくことは「皮膚の表面下2cm以上(体の芯まで)を温める」である。皮膚の表面下2cm以上(体の芯まで)が温まっているかどうかは湯治を続けるうちに、ご自身の経験と感覚で判断できるはずである。

「がん」の最新の代替療法、補助療法に全身温熱療法がある。浴槽に検査機器が付いたような機械を使い通常のお湯で入浴し皮膚の表面下2cm以上が温まるようにコンピューターで精密に管理ができる。ムラなく確実に温まっている様子をサーモグラフィで医師に確認してもらい体を温めること(入浴?)ができる超科学的温浴機器である。近代的な科学的根拠のある医療であり安心して体を温めたい方にはお勧めである。