アトピー性皮膚炎自然療法

誤った治療法が難病をつくる。

アトピー性皮膚炎は、1950年頃(昭和25年)までは「慢性皮膚炎」と呼ばれており、アトピー性皮膚炎というアレルギー性疾患として認識され、ステロイド治療が開発・使用されるまでは決して難しい病気ではなかった。

私は1946年に小学校に入学したが、終戦直後という混乱期でもあり食料事情も悪く生活環境は最悪であった。したがって当時さまざまな皮膚病が蔓延しており新生児では生後半年から1年は「免疫力」が弱いこともあり、さまざまな雑菌に侵されやすく特に「皮膚病」の発症が多かった。

新生児の皮膚病については昔も今も同じことがいえるが、昔の場合は幼児期から少年期に入るまでに免疫力・抵抗力もつき症状は自然消退し、現代のように難治化することはなかったようだ。つまり現代のように、病気に対する免疫力・抵抗力を逆に損なわせるような免疫抑制剤ステロイド剤、抗生物質などを多用する治療法がない時代ででもあり幸いに免疫力・自然治癒力を低下させ難治化させる原因がなかったということである。

しかし現代ではアトピー性皮膚炎が、先に述べたさまざまな生活の中の悪要因によって発症する疾患となってしまった。したがって、それらの要因を探り生活環境を変えない限り、もとの痒み・炎症のない健康な身体に戻すことが難しくなったのである。

そしてそのような異常状態に陥り症状が出現すれば、誰でも病院に行って治してもらおうと考えるし、また「薬」に頼って治そうと考える。それが現代の正しい治療法であり「常識でもあるからだ。
しかしここで免疫抑制剤、ステロイドに依存した対症療法に走り始めると後戻りが出来なくなってしまう。

その病気を治すための「治療」であると思っていたものが、さらに二次、三次の「医原性の疾患」をつくり10年~15年後には、深刻なダメージを受け、その副作用により哀れなそして悲惨な人生を送ることになってしまう。
私はアトピー性皮膚炎治療における薬物禍、その副作用でまったく社会生活ができない「障害者」また「廃人同様」の姿となった20代~30代の若い人々を数多く見てきた。

網膜剥離や白内障で失明、または弱視の状態に陥っている小学生・中学生・高校生・大学生の何と多いことか、おそらく全国でかなりの数の若い人々が悩んでいるであろう。

これらの人々は「難病」アトピー性皮膚炎の症状が強いから「眼障害」が出たということのみで片付けられ、医師はそれらをステロイドの副作用における二次疾患とは決して表現しないのである。

過去50年間、ステロイド治療によってつくり出された「難病アトピー皮膚炎」つまり「難病ステロイド皮膚症」が薬物投与を控え、それも「自然治癒力」のみで「完治」することを世間の人々が知り、これらが公になれば現代医療の薬物治療は根底から覆されることになる。

現代の「医療」においては、それらは絶対あってはならない「事実」である。つまり薬に頼らなくても誰もが自分でアトピー性皮膚炎は治せると言うことが「公」になればアトピー性皮膚炎の治療界は困ってしまうまた訪問したある女医の、驚きの言葉のように、薬を使わないのがアトピーの治療法だったなんて、私達は一体何をすればいいのだろう、という困惑の言葉がすべてを物語っている。

「真実」はアトピー性皮膚炎という病気を治したのではなく、身体のありとあらゆる歪んだそして低下した機能、つまり「自律神経失調」の症状を元に「戻した」だけの事なのである、さらにもっと分かり易く云えば疾患者の体から「冷え」をとり常に温かい体に改善しただけの事であり、その結果痒み・炎症などの症状が自然消退し、ツルツル・すべすべでピンク色の肌に戻ったである。

たとえば「花粉症」であるが日本では実に2000万人とも言われる人々が植物の花粉が飛散する時期くしゃみ、鼻水、鼻づまり、というつらい症状に悩まされ、毎年大騒ぎになるがいまだに有効な治療法はなく、花粉を飛ばす雑草や杉の木が悪いと言っては懸命に伐採している。

これらは実に愚かな対症法である。なぜなら花粉を出す雑草や樹木に原因があり悪いわけではない。花粉症を起こす人の体が悪いのである。その時期、まったく花粉症や鼻炎の症状が出ない人だって大勢いる、それらの人々の体と花粉症で悩む人の体と何処が違うか比較対照してみれば良い、答えは簡単に出ることだろう。

実はこの花粉症にならない方法がひとつだけある。花粉症になる時期、つまり花粉が飛散する2~3ヶ月前から毎日風呂に入った際少し長湯にしてしっかり体を温め、常にあたたかい体にしておけば良い。するとその時期になっても全く症状が出ないことに気付き、驚くことになるだろう。更にもう一つおまけが付いてくる、まったく風邪をひかなくなるのだ。

ついでに鼻炎の話もしておこう、花粉症も鼻炎も一体でありその時期に鼻炎で悩む人、また慢性鼻炎で悩む人々も数多い。鼻で呼吸が出来ない状態はなんとも苦しいものでり、また常に鼻声というのも冴えないものがある。

これらの鼻炎・慢性鼻炎も治しかたは前述の花粉症と同様に常に温かい体にすることである。湯船に入って5分、10分、15分と体が温まってくると鼻の息が良く通ってくるのが分かるはず、したがって体から冷えの症状をとり常に温かい体にしておけばそれらの症状は出ないと言うことである。

これは事実である。花粉症、鼻炎の皆さん方は是非試してほしい。つまり人の体から「冷えの症状」をとることが、いかに大切なことか実体験することになるからだ。これらは「超画期的」とも云えるが何も驚くことではない、人に備わる「自然治癒力」というものは、ありとあらゆる病気の起因である体の「冷え」さえとってあげれば素晴らしい働きをするものなのである。

自然療法を訪ねてくる医師の中には「まったく薬物を使用しない」という考え方はそれなりに理解できるが、何とか自然療法、湯治療法と併用できる「薬品」はないのか、例えば抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症剤、漢方薬等、医療保険の適用を受ける「薬品」を併用しながら現在の効果や実績が上がるのであれば、少々回復期間は遅くなっても、それこそ「画期的」治療法であり現代の医療界でも薬の売上は維持でき、その方が認知を受けやいのでは、と云う指導をしてくれる先生方もいる。

医師の考え方では、薬物を使用しないで病気を治すという治療法の存在を、それが結果的にどんなに素晴らしい効果が得られても認知するわけにはいかないからであろう。

それは当然かもしれない、彼らにとって「薬物」を渡さない、処方しないということは病院の売上につながらず診療所の経営が成り立たないからである。自然療法が「自然治癒力」を活性化させ免疫力を高めて病気を癒す限り、その自然治癒力の働きを阻害する「薬物」を多用し、「自然療法」を行うことは「治癒」を遅らせることはあっても早めることはない。

また免疫抑制剤ステロイドの使用を控え非ステロイド軟膏・抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・抗炎症剤などの薬物を随時使用していった場合「改善」が得られるかどうか、仮に得られるのであればその回復経過はどのようなものなのか。そのメリット・デメリットを含め基本的にこれら二つの研究を確かな医師の臨床を通していずれ明らかにしたい。

自然療法に集う人々の中には、ステロイド・免疫抑制剤は控えてもケース・バイケースで他の薬物を併用し医師の治療を受けている人々もいる。緊急医療によって救われてきた命や、今までの数々の現代医療の「成果」を否定するつもりは毛頭ない。ペニシリンなどの抗生物質の発明がなければ、いまだに人類は感染症を第一位の死亡原因としていたであろうし、ステロイド剤が発明されなければ交通事故などの緊急医療、また臓器移植の拒絶反応で救われなかった命が数多くあったことも承知している。

しかしこれらの薬剤は、開発された当初もその後の研究においても、本来はすべての患者の「命」を守り、そして病気の治癒を手助けするためにあったはずで、それがいつの間にか患者の病気を「治す」ことではなく患者をいかに「満足」させるかが、患者の需要に応えることと勘違いされるようになってきた。

たとえ病気が治癒しなくても「患者が一時的に『楽』になればよい」というように患者が楽になれば病気が治ったと勘違いすることを逆手にとり、満足のみを優先させているような気がしてならない、さらに言えばこれから成長する乳幼児にとって、またこれから世に出る若い人々の将来に、生涯手枷足枷となる「難治性・ステロイド皮膚症患者」だけにはしたくないからである。