アトピー性皮膚炎自然療法

自力で治す苦しい戦い

アトピー性皮膚炎、ステロイド皮膚症で悩む患者たちが、離脱症状を経験しながら回復していくまでの過程は筆舌に尽くしがたいものがある。人によっては増悪と軽快を繰り返し、精神的にもその度に一喜一憂が続く。他の人は順調に回復しているのになぜ自分は遅いのだろう。もしかすると自分だけは例外で治らないのではないか・・・・・と、疑心暗鬼で悶々とした日々に悩まされることが多い。

そして患者自身、あるいは周囲の人にも次第に焦りがみえ始め、言動に猜疑心が強くなってくる。しかし、こうした精神的ストレスは、回復を遅らせることはあっても決して早めることはない。

身体が薬物によって受けたダメージの度合いは、人によってさまざまである。また、湯治生活を行なう本人の環境も重要となってくるが、それでも毎日治すための必要な条件さえ与え続ければ、ある日突然に顕著な改善が現れる日がやってくる。

完治、根治という名の駅に向かって確実にひかれたレール上を、治すための条件を備えた人々を乗せて機関車は牽引していく、だから決してあきらめてはいけない。 綺麗になるための、急激に治っていくための条件はすでに身体に整ってきている。

自分の身体を信じて、自然治癒力を信じて、このつらい時間を頑張って欲しい、そうすれば必ず、完治という駅に間もなく到達する。自らを信じて頑張り続ける人々に例外はない、その証に顕著な回復が間もなく現れゴールする。そのゴールには甦った人々に与えられる、「輝ける明日」が待っているのである。

物心ついてこのかた、痒みのない体を一度も知らなかった子供たち、薬物で顔も身体も心までもズタズタに引き裂かれた若者たち。アトピー性皮膚炎の症状が消退すると、彼らはまったく別人のように「変身」し甦る。
そして痒みのない身体、健康な身体がこれ程までに素晴らしいものかと感動する。

人の持つ「自然治癒力」は、実に素晴らしいものである。薬物に依存しなくても、彼らは自ら病んだ身体を癒し、顔も身体もツルツル、スベスベで本来の姿に戻してしまうのである。アトピー性皮膚炎患者やその家族に限らず一般世間の人々にこれらの「事実」を一日も早く知って欲しいものである。

私はアトピー性皮膚炎患者に限らず慢性の疾患者に対して、この自然治癒力を使って病を癒す、その手法を長年説いてきた。友の会の会員は、病を癒すためには何が大切か、どういう考え方で対処するか、その大切さを「学習」し、病体を健康体に戻すための「実践」を行なっている。

病を癒すのは結局患者本人であるから、このような学習が大切なのである。いくども繰り返すが、病気はモノでは治らない。「薬物で治す」「医師が治す」「病院に行って治してもらう」このような間違った考え方を改め、「他力本願」の治療から「自力本願」の治療を行なう時代が、もうそこまで到来している。

私の提案する温泉湯治療法は「自然療法」であり、また薬物からの「離脱療法」さらに「カウンセリング療法」でもある。自然療法とは、薬物に依存しないで本来人間の持つ生体防衛機能を活性化させ治癒力、抵抗力を高め、自らの身体を自らの力で癒し健康な身体を保つことを養わせる治療法である。決して「温泉」で治しているわけではなく、温泉には自然治癒力を促進させるための補助的役割をさせているだけである。

温泉の含有成分の作用で雑菌を殺し感染症から皮膚を守り、自律神経失調を改善し、さらに温熱効果など温泉が持つ総合作用(非特異的変調作用)で、身体の歪んだ機能をもとの状態に戻す。

このように自然療法は、薬物依存の人々にとってはそれまで自然治癒の働きを阻害していた薬物の「過剰投与」による副作用から離脱し、また病んだ身体を自らつくってしまうような悪い生活習慣を改善し、人間本来の自然治癒の働きやすい身体に整え、正常な免疫機能が作用する身体に変えていくための学習を行なうカウンセリング療法なのである。

したがって現代医療のあり方と根本的に異なっており治療の目的も原因療法に基づいた根治療法のため対症療法(薬物を使って症状をコントロールすることを目的とする)とはその「手法」も違っているのである。