小川秀夫の温泉湯治物語

癌はなぜ生まれ、なぜ再びやってくるのか

どうして人は癌になるのか──

答えは一つじゃない。けれど、こういう筋書きには見覚えないか。

毎日コンビニ飯と添加物まみれの食事。
寝不足、ストレス、交感神経はフルスロットル。
免疫、自然治癒力?落ちて当然。
不安・ストレスに襲われ、身体のあちこちが炎症を起こし、さらに自然治癒力が沈む。
そして、ふと受けた検査で「何か見つかりましたね」。
CT、MRIで弱った体にバッチリ被曝。
「ステージ◯◯ですね」──数字ひとつで人生が急転直下。
歩く姿はうなだれて、肩も落ちる。これじゃ浅い呼吸しかでない。体の中は低酸素状態。
通院が日常になり、病院という“病の集合所”に吸い込まれる。
そこで目にするのは、チューブにつながれた人。命のカウントダウンを生きる人。
ここは本当に病気を治す所なのかと不安になる。

・・・不安と恐怖の無限ループ・・・眠れない夜が続く

テレビをつければ「癌=死」の特集。
家族や同僚の“優しい言葉”は、耳障りのいいオブラート。
その奥にあるのは、こうだ──「かわいそうに、もう長くないのかもな…」。
抗がん剤が追い打ちをかけ、免疫を根こそぎ刈り取っていく。
病院ではマスク越しの無表情な目が日常。

まるで人間扱いされていないような感覚が、心に深い傷を刻む。

もう、この時点で「死を覚悟」する精神的ショックを受けてるの。そう「トラウマ」

トラウマという名の黒い種が、脳に、魂に、静かに根を張っていく。体だけじゃないんだよ心、魂までやられてるの。

でも──
摩周苑では、何かが違う。

今までの生活はしばらくお休み。余計な人に会うこともない。
そこには「癌は治る」と、はっきり口にするバカが一人いる。
見続けてきたのだ「病気が治る過程」を、そこには一点の迷いはない。
優しいけれど、諦めたような“気配”なんてない。
代わりにあるのは、森、川、空、そして温泉。
自然に抱かれて生きるということ。それがどれだけ人間の身体を癒すか。
携帯5G、電磁波が~って考える必要もない。携帯持ってるのあなただけ。
ストレス・・そんなの毎日温泉三昧、その日に消化。
新陳代謝も活発になり体にたまった添加物、害を与えてた体内に残る薬を完全排泄。
静かに、でも確実に体の炎症が引いていく。
温泉湯治でほどよい疲れ・・・赤ちゃんのようにスヤスヤ眠れる。
何より、自分で「調子がいい」と感じられる日々が戻ってくる。
背筋もピンとなり、自然に深い呼吸ができる。新鮮な空気、酸素・・体の低酸素状態突破!
恐怖はない。免疫が目を覚まし、自然治癒力が走り出す!!!

心の中のトラウマが静かに意識の遥か遠くへ・・・・

じゃあ、なぜ癌は再び現れるのか?

日常に戻れば、あの“気配”がまた忍び寄る。
「温泉で治るわけがない」「再発するかもな」──そんな言葉が空気に混ざってる。
食べ物、添加物、気にしすぎて、あれもダメこれもダメ・・食べるのもストレス。
運動しても張り切りすぎて疲れが残る。
無理に後れを取り戻そうと仕事バリバリ!!!!そこでストレス、交感神経はフルスロットル。
そうだ、やりたかったことやろうと歓楽街、しまいには海外旅行・・遊びすぎて疲労蓄積。
あ~明日は病院、検査結果が気になりだす~ドキドキ・・・・
患者で溢れる病院、健康な体では無害でも弱りきった体に再び被曝するCT、MRI。
マスク越しの“目”が再び感情を奪う。
仲間の死の報せ、マスコミが煽る「再発率」の数字。
テレビじゃ、だれがいついつ癌で亡くなったと定期報道。
ついついスマホで「癌再発」と無限検索!!
SNSで元気をもらおうと覗いてみるもモヤモヤするだけ。

・・・不安と恐怖の無限ループ・・・眠れない夜が続く

そう心が魂があの時と同期する。そして体もあの時に戻ろうとする。
ついに過去のトラウマに再点火。かろうじて保っていた免疫が、一気に崩れる。
そうして、癌は舞い戻る。

私の手もとにある毎年とどく湯治客からのハガキや手紙。

「・・・湯治毎日つづけてます」
「・・・忙しくて湯治ができなく、ちょっと体調崩しました。でも再開したら調子よくなりました」
「・・・普段は寝る前に湯治してます。週末はまとめて長めに湯治してます」

つまりそういうこと。過去のトラウマが再点火する前にリカバリーする。自宅でもできる。それが生き残る方法。

癌は病気じゃない、社会の鏡だ。
恐怖、無関心、無理解、そして“仕方がない”という諦め。
それが癌を育て、再び呼び寄せる。
だったらこっちは、自然と、人間本来の力と、希望で戦ってやろうじゃないか。

 

医学博士 安保徹先生 「新がん革命 初めてがんの原因が分かった!」から引用
 
私たちが日常生活において恐怖でおびえ続けたり、無理をして顔色が悪い条件が長引くと、低体温、低酸素で細胞のミトコンドリアが働けなくなり、ミトコンドリアが持ち込んだ分裂抑制遺伝子が解除されてしまうのです。今までは5回から6回の遺伝子異常を起こして発がんするという考え方だったのですが、私のストレスの研究で、そもそもミトコンドリアが少なくてふだんから分裂している細胞が、もっと低体温、低酸素に適応するための遺伝子適応が発がんであると気付きました。ミトコンドリアを持っている真核生物が核を持っていない細菌のような原核生物に先祖返りする。20億年前の酸素のない地球で分裂していた私たちの先祖にもう1回戻ること、それが発がんだったわけです。