私は「ながら」湯治と呼んでいるが、湯治を実践する人々は、テレビを見ながら、音楽を聴きながら、好きな歌を歌いながら、祈りながら、本を読みながら、克服後の夢を描きながら、と、さまざまな工夫をして湯治時間を稼ぎながら、楽しく過ごしている。中でも私の本を持ち込んで、本がふやけてボロボロになるまで毎回、読み返し、パワーと勇気を得ながら、がんを克服したと云う人が多いようだ。
本来の湯治はゆったりと湯につかり副交感神経を刺激し体の回復につなげていくものであるが、現代人には、「ながら、湯治」がよく似合うようだ、複数のことを同時に解決していきながら、という生活習慣が身についているからであろうか。