体を温めればガンは消える

がんは温泉の禁忌症?

どこの温泉にも掲示されている(一般的な適応症と禁忌症)温泉療養を行なって良い病気や症状のことを適応症という。これらは主に慢性の病気や症状が該当する。そして温泉療養をしてはいけない病気のことを禁忌症という。急性炎症疾患や急性感染症などのほか、がんや肉腫、重症の糖尿病、白血病、妊娠初期と末期なども禁忌症にあたるとされている。

それぞれ温泉の適応症、禁忌症は温泉法第14条に基づき、都道府県知事が定める事になっているが、その判断基準となっているのが、1982年旧環境庁自然保護局長通知で、既に35年経過しており、これらについては専門家の間で見直しの声も出ている。

がん(悪性腫瘍)が温泉の禁忌症とされている確かな理由は分からないが、おそらく体を温めることによって代謝が促進される、そうするとがん細胞の増殖が盛んになると判断しているのではないかと思う。そうだとするとそれは誤りである。なぜならがん細胞はいたって嫌気性であり、酸素の少ない場所ではその増殖は活発だが、酸素の豊富な場所ではその増殖は逆に遅いのである。

温泉湯治によって新陳代謝が活発になり、また血流も盛んになり酸素、免疫物質、栄養素が体の隅々まで届く状態になれば、白血球の顆粒球、リンパ球のバランスがとれ、普通の人の免疫程度まで回復するのにさほど時間を要さない。
このような状態まで回復すれば、がん細胞より免疫細胞のほうが強くなり、がんはリンパ球、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)によって駆逐され始める。

つまり人の持つ正常な免疫細胞(リンパ球)はがん細胞より強いということである。これが温泉湯治をするとがん腫瘍が縮小し消失するという理由である。ただし患者が進行性のがんで末期状態にあり抵抗力もなく免疫力、自然治癒力が働く状態でない場合であれば、温泉湯治する気力や体力もなくそれは逆効果となる。

したがってこうした場合にはがんを「禁忌症」にするのは当然である。しかしがん患者の術前術後のリハビリとして、また体力や気力が十分にある患者にとっては、湯治によって体の代謝を促進し、十分な睡眠と栄養をとり適度な運動を取り入れ、生体防御機能、免疫力を高めることが、がんを治す最も有効な代替療法であるといえる。