体を温めればガンは消える

がんを克服する温泉療法の極意

ここで温泉湯治、自宅湯治によって「がん」を克服するためにはどのような方法で行なうのか、またどのようなことが大切かを述べていこう。自然療法では「がん克服」の過程で適時適切に現代医療の「医学的検査」を受けることが大切である。なぜなら、がん克服への実感がそれらの医学的検査の度に得られ精神的、身体的にも回復の相乗効果に繋がるからである。

さて自然療法でがんを克服するためには何が大切なのだろうか、それは「がん」という病気を難しく捉えないということである。難しく捉えれば捉えるほど、その発症原因も治療法もわからなくなってしまう。「がん」といえども長年の生活の中で自らつくった「後天性」の疾患であるなら、その発症原因もその治療法も「生活の中」にあるはず。このように考えればその治し方は容易に見えてくる。

またその治療法は「生活改善」という実にシンプルなもので良いことが分かる。先天性の疾患でない限り、後天性つまり自らの生活環境、生活習慣の中でこさえた疾患であるからには、どのような病気でも同様に、その治し方は「生活改善」というセルフケアにあるはずで、他にその治療法はないと心得ることが肝要である。そしてその病気を治すために決して薬物に依存しないということである。

しかし緊急時ケースバイケースで薬を使用せざるを得ない、また一時的に使用したほうが良い場合もある。緊急手術、救急救命措置などにおいて日本は世界一を誇る技術を持っている。またがん患者では帯状疱疹など痛みが強い場合ごく一時的に消炎鎮痛剤を使って凌ぐことも当然ある。

基本的に自然免疫療法では病気を克服するためには、いかに上手に常用してきた薬物を絶つか、また抗がん剤や放射線治療のダメージからいかに逃れるかが大切になってくる。
私はこれらを「大切なものの考え方」と説いている。

本書を読んで自然免疫療法・温泉療法、そして自然治癒力というものが俄かに信じられない人も当然いるだろう。また現代医学を信奉している人々はそれらの医療、また医師を信じて治療を受けていく人もいるだろう。現代ではがん医療の選択肢は数多い。さまざまな戦術、戦略をとってみるのも良いことである。

要は自らが後々後悔しない信じる医療、信じる代替療法を受けていくことが回復へ近道であろう。また末期症状の患者、高齢者の患者で抗がん剤や鎮痛剤等を服用しながら病状がそれなりに安定している人も多い。それらの人は現在の生活、QOL、クオリティオブライフ(生活の質)が満たされているのであれば無理に湯治を勧めない。

若い人と違って細胞分裂は激しくなく「がん」の進行は緩やかであり、がんと共生し易い、したがって安定した状態で生活を優先させるのも良いことだと思う。体に負担をかける湯治は控え、入浴時間を少し長くする程度で温浴を楽しみ経過を見守るのが良いということである。