体を温めればガンは消える

300年前、江戸中期の医師、後藤艮山は温泉湯治の「好転反応」を説いていた

これらの好転反応、離脱療法の手法は先の温泉湯治の歴史の項でも述べたが日本では300年前、江戸中期の医師、後藤艮山(1659年-1773年)が既に温泉湯治場で庶民に説いている。「浴すれば腸内やわらぎ,積気もくつろぎ、食進み出れば治るなり」と、また好転反応については、「瞑眩、せざれば、その病は癒えず」と説いている。

この「めんげん」は腫れ、発熱、痛み、炎症などを起こして病気が治ろうとする副交感神経作用であり、現代では消炎鎮痛剤やステロイドホルモンなどを使ってこの瞑眩反応を止めている。これらは不快な症状ではあるが、代謝を促進し病気が治るためのステップであり、この瞑眩反応を止めてはいけない。

つまり瞑眩反応は精神的、身体的ストレスにより交感神経の緊張状態から解放されれば生体が自ら起こしてくる反応である、これを人為的に引き起こし、病を癒す術が、「温泉湯治」である。300年前の医師によって「好転反応、離脱症状」が既に説かれていたとは、東洋医学の歴史は古い、まさに「湯治」は日本の伝統文化である。