体を温めればガンは消える

湯治をしながら祈り続け、すい臓がんを克服した74歳の女性

ある日札幌に住む74歳の女性から電話が入った、札幌の書店で「がんの自然免疫療法」(拙書、2007年花伝社)を買って読んだという。すい臓がんステージがⅢで、さまざまな治療はしてきたが、訳があって現在は病院の治療を全く受けていないと言っていた。

是非「湯治」がしたいから指導をしてほしい・・・私の興味が湧いた。ステージⅢで全く治療を受けていないとは?もしかすると体は強いダメージを受けていないはず。回復が早いのでは、これも私にとっては貴重な臨床例になるはず。彼女はある新興宗教の幹部で会員には病気は回復を信じて祈り、自分で治しなさいと指導する側だという。

そちらで湯治をしたいが、そのようなわけで、長期間自宅を抜けられないという、それでは回復は難しいと思ったが、もしかして、この人なら電話による指導だけでも回復は可能かもしれない、受けてみるかという気になって結局指導を受けることにした。

それからは多い時には週に2,3回は電話がかかりその度に熱い指導、つまり「気」の高揚をはかり生活改善、湯治指導を徹底して続けた。3カ月ごとに病院で検査を受け報告を受けていたが、9カ月過ぎたあたりから自律神経失調の改善が著しくなり、病状の改善が進み頻繁に連絡が来なくなった。

そしてある日、外出中に携帯に女性から電話が入った、声が上ずっている何かあったのかな!女性は泣きながら「先生!がんがなくなりました。がんが消えたのです。治ったのです」と、そして「先生!担当の先生に(医師)湯治で治した事を話してもいいですか!」と、大きな声で叫んでいた。

私は「Kさん今どこにいるの」と聞くと病院の医師の前で結果を聞いて、嬉しくて、たまらなくなって、その場で電話しているという、当然だが、よほど嬉しかったのだろう。それにしてもまた医師に湯治の効果が「バレ」て、しまった。湯治を初めて12か月後であった。その間3回ほど来苑し温泉湯治をしただけである。

その後女性は家族4人で摩周苑にお礼参りに来て、がんで湯治中の人々に体験談を話してくれた。会員は自分が、がんであったことを皆知っているという、「Kさん祈って、祈って、自分のがんを自分で治したのだから会員にも、そのように指導を続けるように」と勧めた。

現在方々で、がん克服の体験談を発表しては会員を指導し、布教活動を頑張っているという。それにしても人が備える「免疫」は年齢に関係なく、素晴らしい働きをするものだ。Kさんは1年間で1000時間を目標に湯治に励んだという。74歳で1日合計3時間のペースで湯治ができるとは凄いことだと感心する。今日も湯治しながら祈るKさんの姿が目に浮かぶ。またひとつ貴重な指導を体験した。