体に悪い無理な生活には気付かず取り返しのつかない大病を患っても、まだ突然身に降りかかった災難とでも思っているのだろうか、わが身の不運を嘆き悲しんでいる人が多い。このような人に限って神様、仏様、お医者様と、他への依存心が強く、他力本願の治療へと走ってしまい、病状は悪化の一途をたどってしまうばかりである。
わが身を振り返ることなく仕事の毎日で半生を過ごし、功をなし、名を遂げたある大金持ちの患者が医者に、「先生お金はいくらかかっても良いですから、私のがんを治してください!絶対にまだ死ぬわけにはいかないのです!最高の治療法で徹底的にやってください」と札束を前に懇願し頭を下げつづけた。
その患者は術前、そして術中、術後と効き目の強い?最新の超高額、抗がん剤の投与、放射線治療と念入りに、それも徹底した治療を施され、それらが余程効いたのか、あっという間に力尽き逝ってしまった。どんなに金が有り余っていても、残念ながらお金で健康な体は買えない。
さらにどんなに大金持ちになっても命を粗末にして稼いだものなら、何か実に虚しいものがある。つまり何百億円、何千億円積んでも「がん」は治らないし、健康な体はお金では買えない。しかし毎日少しばかりの体への「労わり」と、「気遣い料」で「がん」を克服した「素晴らしい健康体」は手に入るものである。その治療法は云うまでもなく「湯治」という驚異のセルフケアである。